思い託す可能性へ 〜よんじゅうに〜
拝殿を飛び出した忠夫は、まず東側にある湧玉池へと向かった。
彼が東西南北のうち東を選んだのは、東の方が若干だけ悪霊や亡霊の数が薄いのを心眼が見つけたからだ。
『主、そろそろ我は武器化するぞ』
「おう」
忠夫の額から瞬時に彼の右手に移った心眼は、間を置くことなく透き通るような翡翠色をした、切っ先より三分の一が両刃になっている直刀へと変わる。
『この状態での周囲察知限界距離は未だ分らん。実戦で掴むぞ』
「分かった。けど、まずは俺に近くて襲ってくる奴らを教えてくれよ」
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第十二話『皆本光一の分析追跡(アナライズチェイス)』
金属片は特殊な溶液に満たされたビーカーに漬けられた。
それを様々な光学検査のスキャン光が照らし、七色に輝かせる。
ゆらゆらと溶液の中で回り続けるそれはミラーボールのようにも見えた。
「おもしろいな」
そう呟いたのは白衣をマントのように靡かせた青年。
逆立てた髪に自信と知性に満ちた顔立ち。
少し成人男性の平均より低い身長とどんぐり眼のせいで高校生ぐらいにも見える。
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第十一話『横島忠夫の真相到達(クエスチョンブレイク)』
手提げ鞄にブレザー。
いかにも学生といった装いのひのめ。
「行ってきまーす!」
にこやかに笑い、外へと飛び出していく。
楽しい日曜日も終わり憂鬱な月曜日が始まったが少女は元気一杯で駆け出していった。
「……機嫌が直って良かった。ああ、喉が痛い」
それを手を振って見送っていた横島は呟く。
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第十話『兵部京介の悪夢再来(ナイトメアリターン)』
悪夢は幾度も地獄を見せ付ける。
「……小…さぁ……少佐ぁッ!?」
意識が戻ったのは誰かの必死の呼び声のおかげだった。
「くそッ!! 撤退を急げ、このままじゃ、俺達は全滅するだけだ……」
開かない目蓋に感覚の無い右腕。
言う事を聞かない神経。
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第九話『兵部京介の作戦会議(ブリーフィング)』
カタストロフィ号。
パンドラと名乗る超能力者組織が保有する豪華客船である。
最大2000名まで乗員でき、小さな街とまで言える居住性。
最新鋭の機器を備え、クルージング船の艤装の下には軍艦で使われる各種武装が組み込まれていた。
空も飛べる潜水艦に護衛され、やろうと思えば世界のどこにでも移動できる要塞拠点。
常時数百人の高レベルエスパー達によって運用される世界で唯一と言っていい戦争用超能力兵器である。
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思い託す可能性へ 〜 よんじゅういち 〜
心眼がメドーサを警戒し、忠夫がパピリオを宥めながらルシオラ復活儀式への介入の仕方などを、女華姫と一緒にメドーサに説明を行っている頃。
小竜姫を先頭に、ワルキューレとベスパは妙神山を後にしようとしていた。
三人は鬼門の前にある広場で立ち止まり、小竜姫は後ろを振り返る。
「時間が惜しいので、転移で行きます。お二人とも、私に掴まってください」
「ふむ。かなり切迫しているようだな?」
「ええ」
ワルキューレの問いに、簡潔に答える小竜姫。その表情は、かなり厳しい。
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!注意!
このSSはいわゆるIF再構成です。
「もしも横島くんが単なるスケベ少年ではなく人間のクズだったら」
という条件でSSが書かれています。
この前文を見て嫌悪感を催しそうだと思われる方には閲覧はお勧めしません。
前作面白かったよなって思った方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、
期待してるとかなりがっかりするかもしれませんので予めご了承ください。
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私の名は横島忠夫。
GS横島忠夫が業界で確固たる地位を得て何年になろうか。
せっかくの正月だから、そんな俺の冒険譚から初夢に関する事件を紐解こう。
確か、その時の日記があったはずだ………
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12月31日。
今日ってばもちろん大晦日。
だが俺には一人で部屋に居るだけの一日に過ぎない、はずだった。
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